まあそりゃワーキングプアと一緒にされたくはないと思うけどさ

弁護士だから全国紙新聞社の社員くらいは高給取りであって当たり前とか、そういう感覚ってのはそんなに高給を取っていない一般庶民から見たら嫉みの対象だよね。数を増やすことについての問題点はもうちょっと別のところにあるんであって、法テラスの給料にしたって、毎日のように会社に泊まりこんで残業代は付くわけなく、9年間で昇給したって額面20万そこそこっていう人だって普通にいるわけで、「安定してていいじゃん」と思われてしまいそうです。
僕はそのへんのお金の問題は今まで論点にしていないと思ってたし、急に法曹関係者を増やすことで、満足な研修も出来ず、全体のレベルが落ちるとか、そういう問題はあるんだろうと思っていたけど、いざお金の問題になってみたらかなりの批判の声が弁護士から出てくる。まあ、東京新聞だか中日新聞だかの社説は酷くて、あたかも「安定した生活を望んではいけない」みたいになっているから、そりゃ反発もされるけど、そのときに声をそろえたように「論説委員レベルの給料なんて貰っている弁護士の方が少ない」みたいな、比較論になってしまうのか。大新聞の論説委員なんて多分かなりの高給取りで、そんなのと比べたら「安定した生活のみならず、高給取りであることを希望しているから弁護士が多くなることを望まない」と思っている、と勘違いされてしまいます。勘違いだよね?
なんかこう、こういう待遇の比較になると、医者と弁護士と公務員はいつも引き合いに出されてまあそれはそれでどうなのかな、と思うわけですが、「安定した生活」の最低ラインより遥か上でそういった議論をされてしまうと、どうもいつ会社が潰れて路頭に迷うかわからない一般会社員としては、資格商売の強固さに対して文句のひとことも言ってあげたくなってしまうわけです。まあ、僕はそれほどでもないけど、最低ラインを割ってとてもじゃないけど安定した生活じゃない人にとって、法テラスの給料が低いなんて話はもう雲の上の話かと思ってしまうことでしょう。
司法改革の意義とか方向性が正しいかどうかはそっち系の人じゃないとわからないからなんとも言えないけど、こと給料の点についてはいくら反発しても(今みたいなロジックでは)庶民の理解は得られないと思います。