科学リテラシーを高めると自殺も簡単

そういうことでしょ?

硫化水素を発生させる方法がインターネットの掲示板に多数書き込みされ、自殺を誘発している恐れがあるとして、京都府警は17日、23のプロバイダー(接続業者)に書き込みの削除を検討するよう文書で要請したと発表した。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080417/crm0804172352033-n1.htm

自殺したいという人がいて、そこに何かの方法がある。それだけのことなんだけど、あたかも方法があるから自殺するかのように見解を出したり報道するというのは何かの陰謀なんでしょうか。この際、自殺したいなんて考えている人には一斉に死んでもらおうとでも?
そもそも、「洗剤混ぜると危険」なのは洗剤使用時の安全性の為に洗剤そのものに書かれている話であり、硫化水素が発生する原理は中学レベルの理科の知識であるということ。つまり、自殺を誘発されないためには科学を教えないほうが良いのだ!単に事故が増えるだけかもしれないけどね。あと太宰も発禁にしなきゃ。
この手の主張は「バカに刃物を与えるな」と言っているようなもので、つまり、バカにしているのである。自分達の社会での教育が上手くいかなかった結果、考えなくてもわかることまでネットの説明書を読んで実施しなければならない。だから、説明書を無くせば実施できない、というロジックでしかない。
大麻の栽培の仕方、ではないのだから、「死ねるかどうか実験してみようぜ」なんて人が(そうは)いるとは思えない。死にたいというニーズが本物である以上は、手段がなんであれ関係ない。「自殺を誘発する恐れ」ではなくて、「死ぬときに他人を巻き込むバカが増大する恐れ」ということだ。確かに「自殺をするときは他人に迷惑をかけない手段を選びましょう!」なんて呼びかけはできないけどね。バカのことはバカにしかわからないから、本気で言っている可能性は否定できない。
「簡単!ブラックホールの作り方」を規制すべきかどうか。あるいは現実的な線で原爆とかサリンとか覚醒剤とか。一般に原理が理解可能なものであっても設備と技術が必要な奴は、実際には被害をもたらさない。今回のような、技術が必要のないものはじゃあ規制されるべきかというと、「手首の動脈は切らないように注意しましょう」「頚動脈を絞めるようにすると危険です」みたいなレベルの話であるからどうにもこうにも。嬉々として自殺のやり方を書いているサイトがあるとしたらそれはどうかと思うけどね。