急に二郎語りが流行ってるけど、本店を舐めてはいけない

多分、三田本店に育まれた慶應大学生にとって、聖地三田二郎の存在は果てしなく大きい。もちろん、二郎を嗜好する学生など慶應においてもマジョリティーとはいいがたい。いわゆる、世に言う「慶應ボーイ」とは、幼稚舎(良く勘違いされるが、これは小学校である)からの生え抜きのみのことを指すわけであり、そのイメージに反し、私大の中でも群を抜いてと言っていいほど学費の安い慶應大学の学生のほとんどは、垢抜けない貧乏学生なのであるが、その学生達の食生活を助ける大きな存在が三田二郎でもあるわけだ。
というわけで、
http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20080531/1212204240
じゃあ、俺は三田二郎を語るぜ! - pal-9999の日記
などに語らせている場合ではない。三田で四年(ここでアレっと思った貴方は慶應生)を過ごした僕が三田二郎について語ろう。もちろん、これは僕の主観であり、様々な人が様々な形で二郎を愛していることは承知の上で。

出会い

僕の所属したサークルは三田で活動していたけれども、平日の昼間に三田に来る一年生などいない。でも、三田通り(国道1号)の拡幅工事に伴い閉店すると言う伝説のラーメン屋にいかないわけにはいかないので、サークルの先輩に連れられチャレンジ。当時の交差点角の二郎は今とは一ロットあたりの丼数が違っていた。食券などない。うずたかく詰まれたお釣りの小銭の山に払い、また自分でお釣りを取っていくだけだ。もちろん、小銭は油まみれであるが。
そのとき一緒に行った同じく初体験の超小柄な女性の先輩は頼み方がわからずつい前の人と同じ小ダブルを頼んでしまったが、ちゃんと喰っていた。女性だから行くなとは何たる暴言。二郎の前に人は平等である。
僕はと言えば、小ダブルをうまうまと食し、しかし満足感だかなんだかわからない気持ちでいっぱいでありました。そして、閉店。さらば二郎。

学食誘致計画

しかし、三田のシンボル(はいいすぎ)な二郎を閉店のまま終わらせるわけには行きません。というわけで、学食に誘致すると言う無謀な計画もあったらしい。きっと体育会だな。鍋二郎とか言っているくらいだから。
でも、実現はしなかった。するわけねーだろww
二郎の親父曰く、「慶應生だけの二郎じゃないしな」。ごもっとも。

復活

気がついたら三角州のビルに入ってたww復活当初はまだインターネットも盛んではなく、情報が行き渡るまでには時間がかかった。今思うと天国のように空いている二郎。当然のように入り浸った、三田に拠点を移していた僕でありました。二郎は3回行くと嵌まることを数々の実験台を使って実証していたあの頃。多くの犠牲者を出し、慙愧に耐えない(嘘

特徴

三田二郎の特徴は、なんといっても「いい加減」なことである。とにかく味のばらつきが激しい。それは時に殺意すら感じさせるほどに。そのばらつきの原因は主に温度である。スープが煮詰まってくると、あろうことか水道から水を投入する親父。おい、ぬるくなるだろ!!!そして、その直後のロットにぶち当たった客はこの世の地獄を味わうのである。
しかし、ツボに嵌まったときに三田二郎はなんとも表現し難い別次元の美味さなのだ。これに病みつきなり、ギャンブルと言われても毎日並び続けるのである。親父の指が入っているなど愛嬌に過ぎない。ていうか、そんなにないよなあ。
別名二郎Xとも言われる化学調味料の投入度合いや水道から直接注がれるお冷(冷えてねーよ)。一説によると二郎の前にある自販機は水に耐えられない客により全国一の回転率を誇ると言う…

さかいさんと夜二郎

復活当初はおばちゃんもいたんだけど、そのうちバイトのお兄さん、さかいさんがアシスタントをすることになった。あの「ニンニク入れますか?」はさかいさんの登録商標である(嘘
で、一時期、土曜の夜だったか、夜二郎をさかいさん店主で開催していた。何度か食べに行ったけど、なぜ同じ麺がこんなにブツブツになるのか、というくらい湯で加減がイマイチだった。つまり、あの親父、いい加減にやっているように見えながらも、なかなかの業師だったわけだ。

鍋二郎

裏口から割り込むんじゃねーよお前らふざけんな!!!
と多くの人に殺意を芽生えされたと思われる鍋二郎。慶應の体育会に所属するものにのみ許される特権。しかし、鍋で持って帰ってからどうやって喰うんだろうか。

肉とか

ブタ。スープで煮たというよりはスープに煮られて出し殻なブタ。血管じゃねこれみたいな豪快なブタ。美味しいとか美味しくないとか関係ないし。

ラーメンではなく二郎という食べ物

このフレーズは、僕が大学生の頃からサークルで流行っていた。だって二郎をラーメンの枠で語れないもの。この言葉自体は僕のオリジナルである。誰かが言っていたのを聞いたわけでもなく、思いついたのだ。しかし、また、他の誰かのオリジナルでもあろう。インターネット時代になり、皆が一様にこの言葉を発しているのを聞いて、二郎の偉大さとそのワンアンドオンリーな存在感にひれ伏したのである。
この言葉でしか形容できないからこそ、同時多発的に発生したフレーズなのだ。

固めとか

お前ら博多ラーメンと勘違いしてんじゃねーよ。固い二郎の麺になんの魅力があるというのか。伸びる寸前の絶妙なバランスを崩すんじゃねえ。
いや、あえて本音を言おう。固めの奴がいると他の人の麺が柔目になるんです。迷惑なんでお願いだからやめてください…

三回行くと

中毒になる。これは前述の通り多くの人の犠牲の元に立証された。お腹を壊すことに耐えられないものは3回行けないかもしれない。

ああ、本店行きたくなってきた

かれこれ4年くらいは行っていないなあ…

語りつくせない

二郎と過ごした四年間を語るのは難しい。大ブタ野菜カラ目な僕でしたけれども、まだまだ語るべきことはたくさんある。しかし、二郎ばかりは経験に勝る説明はないのだ。特に三田本店に行くのであれば、外れがあることを覚悟して何回かチャレンジして欲しい。本店というけれども、二郎にスタンダードはない。三田は三田の流儀を貫くのみであり、他の店舗が三田の大体になるわけでもないし、三田が他の店舗の何かを決めているわけでもない。ただそこに二郎という何かがあるだけである。
二郎はカルチャーであり、東京人のソウルフードなのだ。

ご清聴ありがとうございました。

追記でコメントとかにお答え

  • 学費の件

僕がいた頃は上智よりだいぶ安いという印象でしたが、そうでもなかったのかな?ちなみに、流布されていた話だと、早稲田は勉強が出来る田舎のお坊ちゃんが多く、慶應は地元の中産階級が多いと。実態はわかんないけど。あと医学部は最強。
ちなみに、寄付金は任意です。しないと貧乏人バッジを付けられるわけでも成績で差別されるわけでもないのでキニシナイ。

  • 小ブタ

二郎の基本(値段に関係ある注文)は「大・小」「(追加なし)・ブタ・ダブル」だけだから、ないってことはないはずなんだけど…

  • 鍋二郎

やっぱりみんなでわけるのか…あれで何人喰うのかなあ。