繰り返される不毛な議論・大麻編

ウェブには無断リンク禁止をはじめとした同じネタを定期的に何度も繰り返す特徴がありますが、大麻解禁論もその一つ。
毎回、以下のような指摘が繰り返されます。

  • 大麻は酒より安全 ⇒ 酒がそんなに危ないなら禁酒すべき。もちろん大麻も禁止
  • 外国では解禁 ⇒ 深刻な薬物汚染を少しでもマシにする苦肉の策
  • 古くから使われていた ⇒ 害がわかる前は薬として使われてきた毒物は結構多い
  • ある種の病気に効くよ ⇒ 用法・用量を守って医師の監視の下に使うくらいはいいんじゃ
  • 安くて便利な麻を使わせない化学繊維業界の陰謀 ⇒ はいはい陰謀論陰謀論

大体が、ポジティブワード満載の解禁派に対して、ネガティブを抽出して攻める禁止維持派、みたいな構図になります。ポジティブ派の論拠にイマイチ信が置けないことが不毛な議論の原因なのか。「より害がある酒は許されているのに」というのが全面に押し出されてくると単に「酒も規制すべきではないか」という議論に展開していってしまうこともあり。相対的に害が少ないことをもって、ほとんど害がない、的に肯定していくところが気持ち悪い、というのもあり。
いずれにしても、現在禁止されているものについて、それを覆すだけの力を持たないのは、体験者が少ないからかもしれませんが、その一事をもってしてみても、伝統的に使われていたというわけでもないだろうことが容易に推測されるわけで、危険とはいっても治験としてデータが揃っているアルコールと比較して、人体実験しないとデータが取れない危険性がはっきりわかっていない薬物を積極的に解禁する動機ってのはそんなにない気がします。

少なくとも、仮に思ったより危険性があった場合にその蔓延を事前に防げるという意味では今の日本が禁止しているのはよいことで、こういっちゃなんだけど、解禁した国がデータを上げてくるまで待っているのが戦略としては正しいんじゃないかなと思ってしまいます。

なんてことを年に一度くらい書くのは議論自体は不毛かもしれないけど、自分のスタンスの確認と言う意味ではまったくの無意味ではないかもね。