Internet Archiveに完全な保存を期待するのが間違い

わりと文句を言っている人が多いようだけど、認識がよろしくない気がする。
はてなブックマーク - Internet ArchiveからBIGLOBEの個人ホームページのアーカイブがごっそり消滅
そもそも、Webのリソースはそれを作成した個人に帰するものであるのは言うまでもない。Internet Archiveは乱暴に言ってしまえば無断転載の仕組みであり、もともとのページが削除された後にそこにデータがアーカイブされ続けることを保証するものでは全くない。
ここで文句を言っているのは、ウェブページサービス事業者の判断によりそのドメインに属するものが全て削除されるという事実だろうけれども、もとより、Internet Archiveとの連携をうたっているわけでもなく、そこにデータがあったのはある意味「たまたま」だっていうこと。

だから、そこにあった貴重なものが無くなった、という事実はあるかもしれないけれど、それは仕方がないことではあると思う。少なくとも、重要なものであればローカルに保存する機会はあったはず。本人の申し出によらず削除されるのは乱暴だ、というかもしれないが、そもそものもとのコンテンツが削除されている以上、そこに本人の公開し続ける意思はないと判断できる。もっとも、故人であるとか、維持するモチベーションを失った結果自然消滅したという理由があるかもしれないが、「残り続けてほしい」という積極的な意思はそこにはないとみていいと思う。

これは単に教訓であり、要するに、ウェブにあるデータは永続性を保証されてないよってことにすぎない。もったいないと個人的に思うし、怒りを覚える人もいると思うけど、それは厳然たる事実なのだ。オリジナルのコンテンツを公開したくなくなったときに、他の場所に残り続けることがどうにもできない方が問題だと思うし、無断転載がNGだと思うのはそういう部分も関係している。