匿名晒し上げの是非

ここ数日、晒し上げ系の事案が数件発生している模様。晒し上げには犯罪晒し、真相究明、私的制裁、嫌がらせなど色々なパターンがあり、まとめられない。
ここで問題にしたいのは、相手に嫌がらせをするパターン。
例えば、議論に負けそうになった時に、相手の所属先にクレームを入れるようなパターン。事なかれ主義を採用している所属先なんかでは首切りにつながることもあるし、そうでなくても会社の業務に関係ない部分でクレームを入れること自体が業務妨害になる結果として、自重を求められたりする。結果として、論戦続行が不能になる、と。
昔からこのような話はある。けれども、それはちょっとアレな人の所業として捉えられていて、ともすれば観客席から「それやったら敗北だよね」と受け取られがちな行為であったと思う。ところが、最近はどうも相手の所属をばらすことをドヤ顔でやる方面があるようだ。
議論系クラスタの中にも色々合って、特にそこに目的がある場合(ネトウヨ放射能ホメオパス等)、その目的を果たすために手段を選ばないことがある。それやったら信頼度0だよ、という行為によって自爆している向きもあるんだけれども、最近はどうもそれが自爆だということに気づかない、あるいはそれこそが正義だという信念に基づき正当化されることがあるように思える。特に、放射能関連について。
元々実名の人は、それを自分の権威として利用している部分は少なからずあると思う。なので、その権威に相応しくない言動、行為について通報されるようなことはままある。匿名は、その権威を利用することを放棄している、あるいは、権威がないのであるから、議論者として対等であるはずなんだけどね。

でも、よく考えてみると、実名対匿名の場合に、匿名は匿名であること自体が無言の圧力だったりする。匿名のままでいることによって、得られる利益は少ないけれども、失うものもない。ポジショントークをすることも必要ないし、知り合いへの配慮も少なくて済む。そう考えると、実名にとって対等であるためには相手が実名でなければならない、という部分はあるかも知れない。でも、実名晒すことになると、匿名を前提としていた言動、行為が途端に不適切なものになり、所属先へのクレームにつながりかねない。
このあたりの見極めができていないと、場外乱闘双方反則負けな状態になってしまうね。

匿名が匿名であることを理由、隠れ蓑にした攻撃的な言動を取ることは避けねばならないのは、そういう部分にある。逆に、純粋に議論の内容が気に入らないからと匿名の正体を暴くのは議論をする中では一番最低の行為である。議論を望んでない相手に論戦を仕掛けるとそういう部分で引っかかって面倒な事になりそう。