最低賃金のアレ

そういえば、急激な円安とインフレで実質賃金が下がるって話をしたら失業率下がるからいいじゃん的な反応があったのに似ているな。
日本の失業率は欧米諸国に比べても低い水準の中でゆるゆる回復していて、デフレの中ですらそうなんだから、失業率そのものを上げるインセンティブよりも実質賃金が下がらないインセンティブの方が大きそうな気がして違和感あるんだよな。
実際には、賃金格差のほうが問題なんだと思っていて、その中で最低賃金をなくしたらどうなるか。そもそも、賃金が下がって雇用が増えるってのは人が足らないけど(あるいは増やしたいけど)雇う金がないってことなんだよね。単に賃金が高くて競争力が、というのであれば、賃金を下げて追加で人を雇わない、というのが簡単。賃金が下がってコストが下がったおかげで商売が上手くいってはじめて雇用が増える。
そうすると、単に手が動く労働力に対しては賃下げが有効だし、そうじゃない職種は現状維持か下手すると上がって格差が今以上に付くかもしれないね。もちろん、労働者と経営者の格差は今以上になるだろうし。
長い目で見ると有効な局面はあるだろうけれど、そうでない局面のことを考えるとなんかこう恐ろしいことになりそう。
そのへん考えるとぶっちゃけ解雇規制撤廃の方が企業のカンフル剤になると思うけど、劇薬すぎて日本が死んでしまうかもしれん。それに比べたら最低賃金の撤廃は代替医療に頼った医療ネグレクト的に見えなくもないんだよね。
まあ、僕は経済は素人なんで印象論すぎる話ではあるんだけど。

あと、当然ながら、最低賃金の撤廃なんてしたら今まで有名無実だった労組なんかも含めてそこらじゅうで争議が巻き起こって困ったことになることくらいは想定したほうが良いよね。