医者の視点は面白いけどなんだか限定的

ちょっと発想が飛躍しているという感想もあるみたいだけど、飛躍というよりは固定化じゃないかと僕は思う以下の記事。

彼は利発そうな顔立ちで、成績もきっと優秀にちがいない。身なりも裕福そうだ。将来何になるつもりか知らないが、おそらく難関といわれる進路を目指しているのだろう。
難関といえば、医学部は今もそのひとつで、成績のよい者しか入れない。もし、あの少年が医師を目指しているならと考えて、背筋が寒くなった。彼のようなやり方で勉強した者が、医学部に入って、果たして思いやりのある医師になれるだろうか。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080113/acd0801130218002-n1.htm

なんとなく医学部幻想的なものが感じられなくも無い。医療崩壊が報じられ、医師が尊敬されない世の中になり、果たして都会の子供達が理想に燃えて医師を目指そうとするか。
というか、なんとなく、今の医師は全員思いやりがある、というイメージで書かれているけど、白い巨塔がいつの時代の話かということを考えるとむしろ、ね。

医療崩壊が進みつつある今、よい医療を実現するには、医学部の入試状況から変えていかなければならない気がした。

http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080113/acd0801130218002-n1.htm

これもそうだよね。そもそも先生思うところの思いやりの無い人間がくだんの小学生だとしたら、医者以外は思いやりが無くてもいいんだーと言っているように思えちゃうよね。そういうのって医者以外の職業の人への思いやりに欠けると思います!
しかし、医療崩壊に繋がっちゃうのはどうしてなんだろう。入試状況をどう変えるのか、変えたとして結果が出るのは15年後くらい?なんだけどそれまでどうするのか、ということを考えると、そんなこと気にしている場合じゃないんじゃないかなあ。
久坂部先生の本は「無痛」を読んだけど、医師の視点ってこんなに冷たいんだって思った場面がいくつかある。医師として大事な視点だってことは重々理解したうえで、一般の人にどう理解してもらうかってのが一番大事だし、作家としてわかりやすく伝えて欲しいよなって思う。

無痛

無痛