タイムシフトでフィードバックって意味がわからん

そもそもフィードバックって何かしらの反応ってことだよね。録画されました!見てくれました!やったね!じゃだめなの?ああ、視聴率に換算されないからダメって?

まず前提として、映画の著作物を自分の好きな時間・場所で鑑賞したい消費者は「パッケージを購入・レンタルいただくか、有料配信を受けていただくことが原則」と主張する。

「タイムシフト目的の録画でも、製作者にフィードバック必要」――映像ソフト協会 - ITmedia NEWS

この原則がどこから出てきたのかがまず気になるんだけど、言いたいことはわからないでもない。商売としてどうお金を取っていくかって話だからね。

その上で、テレビで放送される映画について「タイムシフト目的での録画など一定限度でコピーされることは避けられない」としながらも、「映画製作者に何らのフィードバックがないままコピーされるのは正当ではない」とし、タイムシフト目的だとしても「映画を鑑賞するための私的録画は、映画の経済的価値を利用・享受するもの。製作者に対してフィードバックがあってしかるべき」と主張した。

「タイムシフト目的の録画でも、製作者にフィードバック必要」――映像ソフト協会 - ITmedia NEWS

その上でっていうか、原則を適用するわけはコレですって言っているだけなんだが。これがあるから、原則なんでしょ。つまり、映画の経済的価値は何かしらのお金に換算されなければならない。放送を見るんであれば、それは視聴率という形で換算されるけれども、録画してみたら換算されないから、金払えよ、と。実に論理的だ。ロジックには特に文句はない。

映画のパッケージ商品からの私的複製も「許容する必要はない」とし、「パッケージ商品による鑑賞を希望するユーザーには、対価をお支払いいただき、映画製作への投資に還流させることで、継続的な映画製作が可能にしていくことが必要。これを実現するためには、パッケージ商品をコピー不可とすることが好ましく、コピー不可としてもユーザーに不利益は生じない」と主張している。

「タイムシフト目的の録画でも、製作者にフィードバック必要」――映像ソフト協会 - ITmedia NEWS

でもこれはちょっとずれている。だって、「好きな時間・好きな場所で鑑賞したい」から購入するんだよね。家でも携帯プレイヤーでも見たいだろうし、壊れることだってあるよね。不利益が生じないってのはいいすぎなんじゃないかな。もちろん、常に一回しか見れない仕組みを導入する代わり、一回あたりの値段をそのクオリティーに相応しいものに下げることが出来ればよいわけだけど。おうちのテレビが14インチだったらその分下げて欲しいって話もありそう。
映画を「商品」として考えた場合、大変理にかなったお話だと思います。これだと文化として残すためには権利を持った会社が著作権切れまでどんな困難が待ち受けていようとも配信し続けることが必要だろうし、そこを諦めたら未来永劫失われてしまうかもしれない可能性はある。でもまあ文化とか芸術とかじゃないならそれでもいいし。著作権切れした昔の映画ばかりが残るだけかも知れないけどね。
もういっそ潔いよねコレは。真に素晴らしいものであれば、人々がお金を払うことでちゃんと残っていくだろうと。時代の審美眼が試されるということですね。もしかしたら、一度はそうやって失われた、そのときは評価されなかったものが、はるかな未来、タイムマシンによるタイムシフト視聴により再評価されたりしてね。
文化で商売するって大変だね。