障害者差別と「進撃の巨人」

うーむ、と考えさせられた。

内容に唸ったというのではなくて、知的障害者は一般的に生理的な嫌悪感を喚起するものと捉えられているのだなあという現実に。

進撃の巨人」で描かれる巨人に生理的嫌悪感を感じるかというと、僕なんて笑ってしまってダメなくらいだからそんなことはなくて。一方で、マンガ内のキャラクターが「未知なるものへの恐怖」を感じている、ということはよく描写できていると思う。ここで感じる恐怖感ってホラーのそれと近くて、しかし、絵があれだから観客としての我々が感じるのはホラーと言ってもスプラッタが喚起する生理的嫌悪感に近いものはあると思う。食われるところとか。

知的障害者に対する嫌悪感ってのは、ひとつには自分たちの秩序の外にある行為(電車の中で騒いだり)が、あるんだと思うんだが、それって携帯でくっちゃべるとかタバコを吸うとか、そういう人に対して感じるものと同種のものであり、特に障害者ということを理由に喚起されるものでもない。まあ、あえて言えばやることが予測不能かもしれないという点で若干の恐怖感を伴うのかもしれないけれども、モンスターなんちゃらのほうが理性が通じるようで通じてないようで、実のところわかってやっているかもしれないというあたり、よっぽど怖いと思うけどね。

なんにせよ、障害者を直接笑いものにしているような低俗なテレビ番組でもなし、そういうのと同じレベルで語るべきではないかな。