捨て石ならぬ無駄石

ここ最近の政治には絶望しているのもあって、もうあんまり世の中のことをウォッチしなくなって久しい。いや、それじゃあいかんだろうとは思っているけど。

TPPに消費税増税。ほんと誰が民主党を政権につけたんだよ。「今回だけは民主党」と思って投票した人がたくさんまわりにもいる。誰かに身の程を知らしめるために他の誰かに権力を与えてはならない。

それにしても、首相の「捨て石」発言には安っぽいヒーローものの匂いを感じる。ちょっと昔の政治家なら「俺の命に換えても」なんていうんじゃないかと思うんだが、そっちのほうがだいぶマシ。生還を帰さない自爆テロのことを捨て石というわけではない。たとえその石は犠牲になってもそのことによりより多くの利益をえるのが囲碁で言うところの捨て石であるわけだから、岡目八目な観客が有効打ということを理解出来ない捨て石なんかあるわけない。
世紀の悪手なのか、それとも誰にも読めない起死回生の一打なのか。それを歴史が評価してくれると思ってこその捨て石発言なんだろうけど、シチョウになる筋を切りに行くようなもので、100人いたら100人「それ無駄石」というような一打。

ほんとさあ、政治家の仕事ってひとりよがりの政策を強引に通すことじゃないよね。利害が対立してもなお、やるに足るだけの理由を「御理解いただけなくても」やるのであればまだいい。始めっからきちんと説明しない、理解を求めない、というのは単なる独裁政治であり、もはや民主主義の体をなしていないんである。